社会福祉法人 林鐘園 お知らせ
初秋の候、皆様ますます御健勝のこととお喜び申し上げます。
林鐘園に関係する方々には、普段疎遠にしておきながら突然の「お知らせ」をお送りすることとなり、大変恐縮しております。私たち林鐘園は、この地で長きに亘り児童福祉に携わってまいりましたが、この度心機一転、新たな場所で新たな第一歩を踏み出すこととなりました。
そもそも林鐘園は、昭和22年10月28日に林屋亀次郎(初代理事長)と荒崎良道(初代園長)により創設され、以来70年にわたり、地域に根付いた児童養護施設として子どもたちの育ちを支えてきました。これまでに、延べ400人の子どもたちが、ここから家庭に戻りあるいは社会に巣立ち、その養育や運営には150人の職員と50人の役員が関わって参りました。またその間、ご近所の方々やボランティアの皆さま、学校や病院やお稽古事の先生方、お寺や商店や業者の方々はじめ大勢の皆様が、林鐘園の活動を温かく見守りつつ、園児や職員を陰日なたで支えてくださいました。皆様のこれまでのご厚意に、心から感謝申し上げます。
今回の移転・再スタートをめぐっては、職員間で様々な思いがあり話し合いを重ねました。その話し合いの中で、以下のような思いが職員の中で共有され、それが最終的な判断の決め手となりました、
・より家庭的で、人のぬくもりの感じられるような居住空間を確保する。
・園児一人ひとりと丁寧に向き合うこと。
・それぞれの回復・成長・自立の過程に、よりしっかり寄り添う。
・子どもとは「一生の付き合い」を目指す。
こうした児童養護施設における家庭的養護の推進は、現在の国の方針でもあると同時に、初代園長の創設当時からの願いでもあります。ただ、この移転にともない、これまで長年お世話になってきた地域の方々や関係者の皆さま、また、東兼六町の林鐘園を「心の故郷」として慕ってくださっている卒園生の皆さまには、多大なご心配をおかけすることになると思います。どうか、より良い養育のための私たちの決断をご理解いただき、ご容赦いただきたいと思います。
なお、移転先の土地購入につきましては、売買契約が終わったところです。この土地は当園から車で10分の若松にあり、広く、明るい高台に位置しています。周辺は、自然豊かな住宅地で小中学校、病院、スーパーに近く交通の便も良好です。
今後の移転計画の推移や、新園舎建築に関する具体的な状況につきましては、日ごろの子どもや職員の園生活の様子をまじえながら、年2回(春・秋)の「林鐘園便り」の中で、皆さまに少しずつお知らせしていこうと思っています。皆さまには、これまでと変わらぬ温かい目で林鐘園の行く末を見守っていただき、ご指導、ご協力いただけましたら幸いです。今後とも私たち林鐘園を、どうぞよろしくお願いいたします。
平成29月9月1日
社会福祉法人 林鐘園
理事長 川端眞美
園 長 松尾茂樹